ヒートアイランドは、ビルの排熱によってもたらされる都市の熱大気汚染現象である。
二〇年、三〇年後の都心は、快適ライフどころか熱汚染の凄まじい悪環境に喘いでいるかもしれないのだ。
もう一つ言えることは、都心での定住人口が増えれば、当然、そこを日常として暮らす人が増えるわけで、生活臭さが増すのは間違いないだろう。
実際、M区界隈には、二三時間営業の食品スーパーや総合ディスカウントストアなどが相次いで出店を始めている。
便利にはなるが、騒音や治安の悪化など住環境へのマイナスの影響はどうなのか、気になるところだ。
国際化の進展を考えれば、外国人の都心居住は増えることはあっても減ることはないだろう。
国際都市東京の未来をどのようにイメージするか。
都心居住を考えるなら、そんな視点も必要かもしれない。
誤解のないようにこれだけは言っておく。
私は何も家を買うなと言っているのではない。
買うならよほど慎塵にならないといけない時代になった、ということが言いたいのである。
公庫の五年以内廃止にともない、これまでのような長期固定の安定した住宅ローンが組めなくなった。
景気や雇用情勢はご存知のように極めて先行き不透明だ。
先にも述べたように、こんな時代にマイホームが買えるのは、・最低でも自己資金が一〇〇〇万円以上ある人・高収入かつ専門能力がある人(失職してもローン返済に困らない人)・一生そこに住める人(転売を考える必要のない人)に限られる。
それは、マイホームをためらいもなくポンと買えて、一生収入に困らず、ずっとそこに住む気がある人だ。
変動金利のローン返済増やマイホームの値下がりリスクをちゃんと引き受けられる人と言い換えてもいい。
それが難しい人は、マイホームの購入を諦め、お気楽な賃貸暮らしに気持ちを切り替えた方がいい。
「それでも賃貸は嫌だ、どうしてもマイホームがほしい」という人は、せっせと住宅資金を貯め、その心得を身につける以外にない。
あんまり早く買いすぎると建て替え等々の問題に直面する。
それを考えれば、「マイホームは六〇歳くらいになってから」というライフ設計があってもいいのではないか。
それまで貯蓄に励む。
子育てを終えたら小ぶりなマンションにでも住み替え、浮いた家賃を住宅資金にまわす。
そして可能な限りキャッシュで住宅を手に入れる。
夫婦二人で暮らすなら大きな家はいらない。
2LDKの中古マンションで十分だろう。
平均寿命を考えれば、二〇年も持ってくれれば十分だから、築一〇年末溝の物件を探すといい。
二〇年、三〇年もすれば、いまとは比べ物にならないくらい中古市場も整備されているはずだ。
物件探しに苦労することもないだろう。
もちろんその程度の築浅の物件なら建て替えや大規模改修の心配もいらない。
「そんな先の中古の話ではなく、あと数年以内には新築がほしい」と言うなら、先の三つが絶対条件だ。
この三つの要件がクリアできない人は、悪いことは言わない、マイホームの購入は諦めた方がいい。
たとえ買えたとしても、先々破綻するリスクは極めて大きいと言わざるを得ない。
「それでもやっぱり新築マイホームがいますぐにほしい」とか「放年以内にほしい」という人は、とにかく最低でも一〇〇〇万円の頭金を用意することだ。
住宅資金贈与の特例を利用して親に出させるというのも手である(個人的にはあまり感心しないが)。
現行制度のままでも五五〇万円まで無税で贈与が受けられる。
これなら頭金一〇〇〇万円はけっして難しいことではないだろう。
もちろん、一〇〇〇万円を頭金にしてしまったら、預貯金がなくなるというのでは困る。
ただし買えること、つまり住宅ローンが組めることと返せることは絶対にイコールではない。
個人的にはいまの時代、自力で頭金一〇〇〇万円も用意できない人がマイホームを買っても、おそらく先々ロクなことはないのではないかと思う。
これからマイホームで成功するのは、自力で一〇〇〇万円貯め、なおかつそれでは不安だからと、親に五五〇万円出してもらって、頭金一五五〇万円を投じて、都心の優良立地に優良物件を買えるような人だ。
それも他の預貯金は別にしての話である。
マイホームは三〇〇〇万円台の物件でも利息を含めた総支払額は四〇〇〇万円を超える。
住宅購入は人生最大の投資である。
投資にリスクはつき物だ。
買えば上がったバブル以前の住宅購入は、そのリスクを地価上昇が吸収してくれた。
しかしこれからはそうはいかない。
地価下落は一〇〇年続くとの声もある。
リスクを無視して買いに出ると、それこそ人生の土台を根こそぎやられる恐れがある。
どうしてもマイホームがほしい人は、家を買う前に、住宅投資のリスクを徹底的に拾い集めて、万全の危機管理を行う必要がある。
各地の消費生活センターに寄せられる新築分譲マンションに関する相談苦情件数は、二〇〇一年、過去最高の二八六四作にのぼった。
その背後にその何「倍、何百倍の怨嵯の声があるのは言うまでもない。
どうしてもマイホームがほしい人は、カスをつかまされないように、友人知人などのツテを頼って、信頼できる建築上など住宅関係のプロの方にアドバイスを受けることをお勧めする。
入居前の「内覧会」にもぜひ同行してもらうことだ。
素人では気づかない施工ミスや欠陥などをプロの厳しい目でチェックしてもらうとよい。
素人では「こういうものですから」と言いくるめられるようなものも、プロが相手ではそうはいかない。
何か問題があれば、無料で修理や交換をさせることができるし、あまりにもひどい欠陥があれば、契約の解除も可能だ。
内覧会は新築マンション購入者にとって、実際に現物に触れ、その山来具合を直にチェックできる、最初で最後の機会だ。
後で気づいて文句を言っても、施工ミスなのか入居者の使い方が悪かったのか、責任の押し付けあいになって、将があかないことが多い。
マイホームのよしあし、わけてもその構造や施工の精度などについては、なかなか素人ではわからない。
これからの時代、謝礼を払ってでも、プロの手を借りる価値はある。
くれぐれも自分の目や判断を過信しないことである。
公庫の五年以内廃正の決定は、これまで以上に住宅ローンの組み方を難しくしている。
基本の再確認が必要だろう。
また長く住み続けるにはマンション管理のイロハもあらかじめ知っておく必要がある。
この点の十分な理解なくしてマンションは到底買えないと知るべきである。
古くからの高級住宅地に立地する物件なら不安がない。
一椴には公園、子供の遊び場、緑地などを整備した敷地ゆったりの大規模マンションの評価が岳いが、一方で居住者数の多さゆえに、維持管理、建て替え、大規模補修等の管理離合の活動を不安視する声もある。
また工場跡地の再開発などでは土壌汚染の不安もある。
汚染された土壌の浄化がきちんと行われているのか必ず確認する必要がある。
耐震性を考え、地盤の確認も必須である。
市街地マンションは交通アクセスや買い物等々で非常に便利だが、一方で事務所や店舗などに転用されて雑居化する心配がある。
専有部分の住宅以外の使川を禁じている管埋規約は極めて少ない。
都心マンションが人気だが、駅前立地の物件ではやがて風俗店などに転用され、不特定多数の人間が深夜まで出入りする恐れがある。
こうなると維持管理や防犯に対する意思続一は困難で、物件そのものが荒れるのは避けられない。
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